採用ショート動画の事例は?「予算がない」は言い訳にならない。知恵と工夫で今すぐ始められる方法

村上 慎也(むらかみ しんや)

組織人事コンサルタント
早稲田大学政治経済学部卒
国家資格キャリアコンサルタント・産業カウンセラー

企業の離職防止や定着率改善を専門とし、制度設計にとどまらず、社員一人ひとりの「内発的動機づけ」に着目した支援を信条とする。
データ分析と現場ヒアリングを軸に、経営層・マネージャー双方への支援を提供。現場感と理論を兼ね備えた落ち着きある語り口と、信頼感ある立ち振る舞いが特徴。
私生活では筋トレや読書を通じて自己研鑽を重ねる一方、家族との時間も大切にしている。

西野 結衣(にしの ゆい)

組織人事コンサルタント(ジュニアアソシエイト)
上智大学 総合人間科学部卒

IT系広告代理店での営業経験を経て、現在は人事領域の実務を現場で学びながら、キャリアコンサルタント資格の取得を目指している。
ヒアリング力と素直な吸収力に定評があり、1on1設計やフィードバック支援などに携わるほか、離職防止ツールの導入プロジェクトでも活躍中。丁寧な対話と観察力を強みに、実務を通じて成長を重ねている若手コンサルタント。
趣味は朝活と読書。日々の気づきを記録する習慣を大切にしながら、仕事と生活のバランスを大事にしている。

「予算がない」は言い訳にならない。採用ショート動画は、知恵と工夫で今すぐ始められる

村上

予算がないからと諦める前に、まず知恵と工夫で始めてみることが大切です。

「最近の若い世代はSNSで就職先を探すらしいね。うちも何かイマドキな採用、やってみたら?まあ、予算はないんだけど…」

経営会議で、社長からこんな言葉を投げかけられて、頭を抱えていませんか。Webで「採用動画 制作」と検索すれば、表示されるのは立派な制作会社ばかり。きらびやかな実績の数々と、その横に表示される「お見積もりはこちら」のボタンを見て、そっとブラウザを閉じた経験があるかもしれません。

ご安心ください。この記事は、かつてのあなたと同じように、限られた予算と情報の中で、新しい採用の形を模索するすべての人事・採用担当者のために書きました。

この記事で分かること

この記事を最後まで読めば、高価な撮影機材や専門知識、そして外注費用がなくても、明日からあなたの会社で採用ショート動画を始めるための、具体的で実践的な方法がすべてわかります。

単なる事例紹介だけではありません。なぜその動画が成功したのかという「分析」、予算ゼロから始めるための「内製化ロードマップ」、そして、すぐに使える「企画テンプレート」まで、私たちが持つノウハウのすべてを詰め込みました。

さあ、一緒に新しい採用の扉を開きましょう。

そもそも、なぜZ世代の採用にショート動画が効くのか?3つの理由

西野

なぜショート動画が今の若い世代に響くんでしょうか。

村上

良い質問ですね。単なる流行ではなく、現代の就職活動における必然なんです。

「なぜ、わざわざショート動画なの?」と感じる方もいるかもしれません。この施策の必要性を、上司や経営層に説明するための論理的な根拠を3つのポイントに整理しました。これは単なる流行ではなく、現代の就職活動における必然なのです。

1. 可処分時間ならぬ「可処分精神」を奪い合う時代の最適解だから

村上

情報過多の時代、求職者の集中力は限られています。短時間で核心を伝えることが重要です。

現代は、情報の洪水です。私たちは、1日の中で使える「時間」だけでなく、何かに集中するための「精神力」までも、常に様々なコンテンツに奪い合われています。分厚い採用パンフレットや、長時間の説明会動画を、最後までじっくりと見てくれる候補者はどれだけいるでしょうか。

その点、ショート動画は、わずか15秒から1分という短時間で、企業の核心的な魅力やメッセージを直感的に伝えることができます。

隙間時間で気軽に見ることができ、候補者の貴重な「可処分精神」を無駄にしません。情報過多の時代において、最も効率的にメッセージを届けられるフォーマットなのです。

2. 加工されていない「リアル」な情報しか信用しないから

村上

完璧すぎる映像より、現場の生の声の方が信頼されるんです。

デジタルネイティブであるZ世代は、幼い頃からインターネット上の無数の情報に触れてきました。その結果、企業が発信する美しく作り込まれた広告や宣伝文句に対して、一歩引いて見るという鋭い感性を持っています。彼らが本当に知りたいのは、加工された情報ではなく、その裏側にある「本物」の姿です。

プロが作った完璧すぎる映像よりも、社員がスマートフォンで撮影した少しラフな動画の方が、かえって「リアル」で信頼できる情報として受け取られます。社員の自然な笑顔、ありのままのオフィスの様子、飾らない言葉。そうした情報こそが、彼らの心を動かすのです。

3. 企業の「中の人」との偶発的な出会いを求めているから

西野

最近は偶然の出会いから企業を知ることも多いですよね。

従来の就職活動は、学生が企業の名前を「検索」することから始まるのが一般的でした。しかし、SNSが生活の一部となった今、「偶然の出会い(ディスカバリー)」から企業に興味を持つケースが急増しています。

TikTokやInstagramのおすすめ(レコメンド)機能は、ユーザーの興味関心に基づき、これまでその存在すら知らなかった企業のコンテンツを届けます。

中小企業の大きなチャンス

これは、知名度では大企業に及ばない中小・ベンチャー企業にとって、大きなチャンスです。ショート動画を通じて「中の人」の魅力が伝われば、これまでリーチできなかった優秀な潜在層に、自社を知ってもらうきっかけを創出できるのです。

【目的別】採用ショート動画の成功事例5選を徹底分析

村上

ここからは実際の成功事例を、目的別に分析していきましょう。

ここからは、採用ショート動画の成功事例を「認知度向上」「ブランディング」「仕事理解」という3つの目的別に分類し、ご紹介します。

重要なのは、ただ動画を眺めることではありません。各事例について、「企画(なぜウケたか)」「表現(どう見せたか)」「誘導(次の行動)」という独自の分析フレームワークで、成功の裏側にあるロジックを徹底的に解き明かします。ぜひ、「自社ならどう応用できるか?」という視点で読み進めてみてください。

Part 1. 認知度をとにかく高めたい!「バズ」を生んだアイデア事例

西野

バズった事例って、どんな工夫があるんでしょう。

まずは、インパクトのある企画で多くのユーザーの目に留まり、企業の認知度を飛躍的に高めた「バズ事例」を見ていきましょう。

事例1:三和交通(タクシー会社)
  • 企画(なぜウケたか): タクシー会社の「真面目」「堅実」という固定観念を逆手に取り、社員(主におじさん)が全力でダンスや面白い挑戦をするというギャップが、ユーザーに強烈なインパクトを与えました。「公式がこんなことやってる!」という意外性が、シェアを呼び、大きなバズに繋がっています。
  • 表現(どう見せたか): 決して上手とは言えないダンスや、シュールな小芝居を、あえてそのまま見せることで、プロには出せない「素人感」と「一生懸命さ」を演出しています。特に秀逸なのは、動画の冒頭0:01-0:03で、真顔の社員が不思議な動きをすることで、一瞬で視聴者の心を掴む「冒頭の3秒」の作り方が計算されています。
  • 誘導(次の行動):動画内で直接的な採用メッセージは発信せず、まずは「三和交通=面白い会社」というイメージを徹底的に刷り込むことに注力しています。プロフィール欄の採用サイトリンクへ、興味を持ったユーザーを自然に誘導する設計です。

出典 三和交通(公式)

事例2:大京警備保障(警備会社)
  • 企画(なぜウケたか):「警備員」という仕事に対する一般的なイメージ(厳しい、大変そう)を覆し、働く人々の「人間味」に焦点を当てた企画が共感を呼んでいます。特に「警備員あるある」や、個性豊かな社員のキャラクターを活かしたコンテンツが人気です。
  • 表現(どう見せたか):多くの動画で、特定の社員が主役として登場します。これにより、視聴者は次第にその社員に親近感を抱き、「この人に会ってみたい」という気持ちになります。動画はスマートフォンで撮影されたものが多く、テロップの入れ方も含め、良い意味で「素人っぽさ」が残っており、リアルな日常を覗き見しているような感覚を与えます。
  • 誘導(次の行動):コメント欄での視聴者との積極的なコミュニケーションが特徴です。質問に丁寧に返信することで、企業と候補者の距離を縮め、自然な形で採用への興味を醸成しています。

出典 大京警備保障

Part 2. 会社の魅力を伝えたい!「共感」を呼んだブランディング事例

村上

企業の文化や魅力を伝えるには、社員一人ひとりの内発的動機づけが重要です。

次に、企業独自の文化や働く環境の魅力を伝えることで、「この会社、なんだか良いな」という共感と好意を育むブランディング事例をご紹介します。

事例3:ニトリ(家具・インテリア)
  • 企画(なぜウケたか):「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるニトリですが、採用動画では「働く場所」としての魅力を伝えることに注力しています。特に、社員が自らカメラを持ち、主観視点でオフィスを案内するVlog(ビデオブログ)風のコンテンツは、「もし自分が入社したら」という疑似体験を視聴者に与え、強い共感を呼びます。
  • 表現(どう見せたか): プロのナレーションではなく、社員自身の言葉で語られるのが特徴です。例えば、おしゃれなカフェスペースを紹介する際も、「ここのコーヒーが無料で飲めるのが地味に嬉しいんです(笑)」といった個人的な感想を交えることで、台本にはないリアルな職場の雰囲気が伝わります。
  • 誘導(次の行動):動画の最後や概要欄で、より詳細な情報がわかる採用サイトや、他の社員紹介コンテンツへのリンクを提示。「もっと知りたい」と思った視聴者の受け皿をきちんと用意しています。

出典 ニトリ新卒採用

事例4:ITベンチャー企業(若手社員インタビュー)
  • 企画(なぜウケたか):会社の知名度や待遇面で大手企業に勝てない場合、最も強力な武器となるのが「人」の魅力です。この事例では、若手社員に「なぜこの会社を選んだのか」「入社して良かったこと」を率直に語ってもらうことで、視聴者は自分の将来像を重ね合わせることができます。
  • 表現(どう見せたか):インタビュー動画で重要なのは、インタビュアーが聞き役に徹し、社員の本音を引き出すことです。BGMは控えめにし、社員の言葉一つ一つがしっかりと聞こえるように配慮されています。「0:25からの、少し言葉に詰まりながらも自分の思いを語るシーン」など、完璧ではない部分にこそ、その人の誠実さが表れます。
  • 誘導(次の行動):「この先輩と話してみたい!」と思った候補者のために、カジュアル面談やオンライン座談会への申し込みフォームに誘導します。動画で生まれた興味を、実際の接点へと繋げる動線設計が重要です。

出典 ITベンチャーA社

Part 3. 入社後の理解を深めたい!「こんなはずじゃなかった」を防ぐ仕事紹介事例

西野

リアルな仕事の姿を見せることって、ミスマッチ防止にすごく大事ですよね。

最後に、仕事の良い面だけでなく、大変な面も含めてリアルな姿を伝えることで、入社後のミスマッチを防ぎ、定着率向上に貢献する事例を見ていきましょう。

事例5:建設・製造業(1日密着ドキュメント)
  • 企画(なぜウケたか):建設業や製造業など、一般的に「きつい」というイメージを持たれがちな職種こそ、ショート動画での情報発信が効果的です。この事例では、一人の若手社員の出勤から退勤までを追い、仕事のリアルな流れを見せることで、漠然としたイメージを具体的な理解へと変えています。
  • 表現(どう見せたか):夏場の汗を流しながら作業する姿や、重い資材を運ぶ大変さも隠さずに見せます。しかし、それだけでなく、先輩社員からの的確な指示、チームで協力して一つのものを完成させた瞬間の達成感、お客様から感謝された時の笑顔など、「やりがい」を感じる瞬間を意図的に切り取って挿入します。この緩急が、仕事の多面的な魅力を伝えます。
  • 誘導(次の行動):「自分にもできるだろうか」と感じた視聴者のために、「未経験者歓迎の研修制度」や「資格取得支援制度」など、入社後のサポート体制をアピールする採用ページへと誘導します。不安を安心に変える情報提供が鍵となります。

出典 建設・製造業B社

明日から真似できる!予算ゼロからの採用ショート動画「内製化」完全ロードマップ

村上

さあ、ここからが本題です。実際に動画を作るための具体的なステップをお伝えします。

素晴らしい事例の数々を見て、「でも、これを自分たちで作るのは難しそう…」と感じたかもしれません。大丈夫です。ここからは、この記事の核となる、専門知識や高価な機材がなくても、誰でも明日から採用ショート動画を始められる「内製化ロードマップ」を4つのステップでご紹介します。

Step 1.「誰に、何を伝え、どうなってほしいか」たった1枚の企画シートで言語化する

西野

企画って、どうやって考えればいいんでしょうか。

村上

動画制作で最も重要なのは、実は撮影でも編集でもなく企画なんです。

動画制作において、最も重要な工程は「撮影」でも「編集」でもありません。「企画」です。誰に、何を伝えて、見た後にどうなってほしいのか。ここがブレてしまうと、どんなに映像が綺麗でも、誰の心にも響かない動画になってしまいます。

Step 2. 撮影はスマホでOK。ただし「音」と「光」だけは妥協しない

村上

高価な機材は不要ですが、音と光の2点だけは意識してください。

「良い動画のためには、一眼レフカメラが必要ですか?」という質問をよく受けますが、答えは「No」です。今のスマートフォンに搭載されているカメラの性能は、ショート動画を撮影するには十分すぎるほどです。

ただし、最低限こだわってほしいポイントが2つだけあります。それは「音」「光」です。

  • 音(マイク):スマートフォンの内蔵マイクは、周囲の雑音を拾いやすいという弱点があります。インタビュー動画など、人の声をしっかり届けたい場合は、1,000円〜3,000円程度で購入できる、スマートフォン用のピンマイクを使用するだけで、動画のクオリティが劇的に向上します。
  • 光(照明):高価な照明機材は必要ありません。最も優れた照明は「太陽光」です。撮影は、窓から自然光が差し込む、日中の明るい室内で行うことを心がけましょう。もし室内が暗い場合は、100円ショップで売っている白い画用紙やボードを「レフ板」代わりにして、顔に光を当てるだけでも、表情が明るく見えます。

Step 3. 無料アプリで十分!カットとテロップ入れの基本ルール

西野

編集も無料アプリでできるんですね。

撮影した映像は、無料の動画編集アプリを使って編集しましょう。「CapCut」や「VLLO」といったアプリは、直感的な操作で、プロ並みの編集が可能です。

初心者がまず覚えるべき編集作業は、下記の3つだけです。

カット不要な部分を切り取って、テンポの良い動画にする。「えーっと」「あのー」といった不要な間(ま)は、ためらわずに全てカットする。少しテンポが速すぎると感じるくらいが、ショート動画では丁度良いです。
テロップ(字幕)話している内容を文字で表示する。音声なしで視聴するユーザーも多いため、テロップは必須です。重要なキーワードは色を変えたり、サイズを大きくしたりして、視覚的に強調しましょう。
BGM動画の雰囲気に合った音楽を入れる。各アプリやTikTokなどが提供する、商用利用可能な音源の中から選びましょう。動画の雰囲気を決定づける重要な要素ですが、声と被らないよう、音量は控えめに設定するのがポイントです。

これだけの作業でも、見違えるほど動画のクオリティは上がります。

Step 4. 投稿して終わりじゃない。最低限見るべき3つの指標と改善アクション

村上

投稿後の振り返りが、次の成功に繋がります。

動画を投稿したら、必ず「振り返り」を行いましょう。SNSの分析機能(インサイト)を使えば、誰でも無料でデータを見ることができます。しかし、全ての数字を追いかける必要はありません。初心者がまず注目すべき指標は、以下の3つです。

  1. 平均視聴時間(視聴維持率):視聴者が動画を平均で何秒まで見てくれたか、という指標です。もし動画の冒頭(最初の3秒)で多くの人が離脱しているなら、掴みの部分に改善の余地があります。
  2. エンゲージメント率(いいね・コメント・保存数):視聴者が動画に対して、どれだけ反応してくれたかを示す指標です。コメントが多ければ、視聴者の関心を引く内容だったと言えます。保存数が多ければ、「後で見返したい」と思われる有益な情報だったと判断できます。
  3. プロフィールへのアクセス数:動画をきっかけに、何人があなたの会社のプロフィールページを訪れたか、という指標です。この数字が多ければ、動画が採用候補者への「興味の入り口」として機能している証拠です。

これらのデータを見て、「次はもっと冒頭のインパクトを強くしてみよう」「今回は質問を投げかけるテロップを入れてみよう」といった仮説を立て、次の動画制作に活かす。このPDCAサイクルを回し続けることが、成功への唯一の道です。

主要プラットフォーム(TikTok/YouTube/Instagram)の使い分け戦略

西野

どのSNSで投稿するのがベストなんでしょうか。

「で、結局うちはどのSNSで動画を投稿すればいいの?」という疑問に答えるため、主要3大プラットフォームの特性と、それぞれに向いている企業を比較表にまとめました。自社の目的やターゲットに合わせて、最適なプラットフォームを選びましょう。

評価軸TikTokYouTube ShortsInstagram Reels
ユーザー層10代〜20代が中心。最近は30代以上も増加。幅広い年齢層。他のYouTube動画からの流入も。20代〜30代の女性が中心。男性も増加傾向。
拡散力非常に高い。フォロワー数に関係なく、コンテンツの質次第で爆発的に拡散する可能性がある。高い。既存のチャンネル登録者以外にも広く表示される。中程度。フォロワーへのリーチが中心だが、発見タブからの流入も期待できる。
求められるコンテンツエンタメ性、トレンド、面白さ、意外性。ハウツー、知識、学び。既存の長尺動画の切り抜きも有効。おしゃれ、Vlog、共感、企業の裏側。ブランドの世界観を表現しやすい。
おすすめの企業知名度を問わず、とにかくバズらせて認知度を上げたい企業。柔軟で遊び心のある企画ができる企業。既にYouTubeチャンネルを持っている企業。ハウツーや専門知識を伝えたいBtoB企業。デザインや世界観に強みを持つ企業(アパレル、化粧品、食品など)。企業のブランディングを重視したい企業。

一つのプラットフォームに絞る必要はありません。まずは自社と最も相性の良さそうなプラットフォームで挑戦し、慣れてきたら、同じ動画を他のプラットフォームにも展開していくのが効率的です。

よくある質問(FAQ)

村上

よくいただく質問にお答えしましょう。

最後に、採用ショート動画を始めるにあたって、担当者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

A. はい、この記事で紹介したロードマップに沿って進める限り、必須となる費用は0円です。スマートフォン、無料の編集アプリ、そしてあなたの会社の「魅力」と「アイデア」さえあれば、今日からでも始めることができます。もし、よりクオリティを上げたい場合でも、数千円のピンマイクやスマホ用三脚を追加する程度で、十分な効果が得られます。

A. 明確な目的があり、そのための予算が確保できる場合は、プロに依頼するのも有効な選択肢です。例えば、「企業のブランディングを刷新するための、特定のコンセプトに基づいた高品質な映像を制作したい」「複数の関係者が登場する、撮影・編集が複雑な動画を作りたい」といったケースです。まずは内製で始めてみて、動画活用の勘所を掴んだ上で、必要に応じてプロへの依頼を検討するのが良いでしょう。

A. プラットフォームによっても異なりますが、まずは15秒〜30秒以内に収めることを意識しましょう。重要なのは、伝えたいメッセージを一つに絞ることです。あれもこれもと詰め込もうとすると、結局何も伝わらない動画になってしまいます。「この動画では、オフィスの雰囲気の良さだけを伝える」のように、テーマを一つに限定することが成功の鍵です。

A. ご心配はもっともです。炎上を避けるために最も重要なのは、「誰かを傷つけたり、不快にさせる表現がないか」を客観的な視点でチェックすることです。特定の価値観を押し付けたり、社会的なモラルに反する内容は絶対に避けましょう。投稿する前に、チーム内の複数人で動画を確認し、少しでも懸念があれば公開を控える、というルールを設けておくと安心です。誠実な姿勢で、自社の魅力を伝えようとするコンテンツが、炎上につながることは稀です。

まとめ:完璧な動画より、まず1本。あなたの会社の「リアル」を届けよう

村上

100点の完璧な動画を目指すより、まずは60点で良いので最初の1本を世に出すことが大切です。

ここまで、採用ショート動画の重要性から、具体的な成功事例、そして明日から始められる内製化ロードマップまで、網羅的に解説してきました。

たくさんの情報に触れて、「やるべきことが多くて大変そう…」と感じたかもしれません。しかし、最も伝えたいメッセージは、たった一つです。

最も大切なこと

100点の完璧な動画を目指す必要は、全くありません。

大切なのは、この記事のロードマップを参考にしながら、まずは60点で良いので、あなたの会社の「リアル」が伝わる最初の1本を、世の中に公開してみることです。

社員の飾らない笑顔、少し雑然としているけれど活気のあるオフィス、仕事に対する真摯な想い。そうした「生の情報」こそが、未来の仲間となるかもしれない候補者の心を、何よりも強く動かすのです。

西野

変化を起こすって、まずは気づくことからなんですね。

その小さな一歩が、あなたの会社の採用活動を、そして未来を、大きく変えるきっかけになるはずです。