
組織人事コンサルタント(ジュニアアソシエイト)
上智大学 総合人間科学部卒
IT系広告代理店での営業経験を経て、現在は人事領域の実務を現場で学びながら、キャリアコンサルタント資格の取得を目指している。
ヒアリング力と素直な吸収力に定評があり、1on1設計やフィードバック支援などに携わるほか、離職防止ツールの導入プロジェクトでも活躍中。丁寧な対話と観察力を強みに、実務を通じて成長を重ねている若手コンサルタント。
趣味は朝活と読書。日々の気づきを記録する習慣を大切にしながら、仕事と生活のバランスを大事にしている。
社員の離職率が高い、モチベーションが上がらない、現場の状況が把握できない——そんな組織課題に直面していませんか?
本記事では、従業員のエンゲージメントを高めるために必要な視点や、有効な改善ツールの選び方を解説します。
エンゲージメント向上が注目される背景とは?

最近、企業の人事担当者の方から「優秀な人材が定着しない」という相談が急増しています。背景にはエンゲージメントの問題があることが多いんです。
現代のビジネス環境では、人材の確保と定着が企業の重要課題となっています。特に若年層の早期離職や中堅社員のモチベーション低下といった問題が多くの企業で起こっており、それに伴って従業員のエンゲージメント向上が注目されています。
エンゲージメントとは
従業員が組織に対して持つ信頼組織への愛着事業・会社への貢献意欲
エンゲージメントが高い組織では、離職率の低下や生産性の向上が見込めることから、組織改善や人事施策の中心テーマとして位置づけられています。
人材不足と離職率の増加

採用にかけた時間やコストが無駄になってしまうのは本当にもったいないですよね。現場の負担も増えてしまって悪循環になりがちです。
少子高齢化に伴う人材不足が続く中、多くの企業では採用難とともに、早期離職の課題にも直面しています。せっかく採用した人材が短期間で辞めてしまうと、採用コストや教育コストが無駄になるだけでなく、現場の負担も増大します。
早期離職の問題点と影響は、次のようになっています。
| 早期離職の問題点 | 影響 |
| 採用コストの無駄 | 人材獲得にかけた費用が回収できない |
| 教育コストの損失 | 研修や指導にかけた時間・費用が無駄に |
| 現場負担の増大 | 残った従業員の業務量が増加 |

離職の理由を聞くと「なんとなく合わない」という曖昧な答えが多いんです。これは実は、マネジメントの見える化や対話の質に課題があることの表れなんですね。
こうした離職の多くは「なんとなく合わない」という曖昧な理由によるもので、マネジメントの見える化や対話の質の改善が求められています。エンゲージメント向上は、その根本的な解決策として有効です。
従業員満足度と企業業績の関係

従業員の満足度が高い会社って、やっぱり業績も良いんですね!働いている人が前向きだと、お客様にも良い影響が伝わりそうです。
従業員の満足度が高い組織では、顧客満足度や企業の業績も高いという調査結果が多数報告されています。エンゲージメントが高まることで、自律的な行動や建設的な提案が増え、組織全体の生産性やイノベーションの向上にもつながります。
従業員満足度と企業業績の関係は、次のようになっています。
- 自律的な行動の促進 – 指示待ちではなく、積極的な業務への取り組み
- 建設的な提案の増加 – 業務改善や新しいアイデアの創出
- 生産性向上 – 効率的な業務遂行と品質の向上
- イノベーション創出 – 創造的な発想と実行力の向上
さらに、ポジティブな職場環境は新たな人材の採用にも好影響を与えるため、持続可能な成長を目指す企業にとってエンゲージメントは欠かせない視点です。
エンゲージメント向上に必要な3つの要素

エンゲージメント向上には「心理的安全性」「成長実感」「信頼関係」の3つが重要です。この基盤が整うことで、従業員のモチベーションが自然と高まるんです。
エンゲージメントを高めるためには、「心理的安全性」「成長実感」「信頼関係」の3つが重要です。心理的安全性がある職場では、従業員が自由に意見を述べやすくなり、チーム全体の協働が活性化します。
エンゲージメント向上に必要な3つの要素の種類・効果・具体的な状態をまとめると、次のようになります。
| 要素 | 効果 | 具体的な状態 |
| 心理的安全性 | 自由な発言・協働の活性化 | 意見を否定されない環境 |
| 成長実感 | モチベーション向上 | 自分の成長を実感できる |
| 信頼関係 | 組織へのコミット強化 | 上司との良好な関係 |
また、自分の成長が実感できる環境や、上司との信頼関係が構築されていることも、組織へのエンゲージメントを高める要素となります。これらの基盤が整うことで、従業員のモチベーションが高まり、離職の防止にもつながります。
心理的安全性の確保

心理的安全性って、要するに「安心して自分の意見を言える環境」ということですよね。これがあると、チームの協力体制も強くなりそうです。
心理的安全性とは、従業員が自分の意見を自由に発言できる、否定されることなく受け入れられる職場環境を指します。このような環境では、従業員同士の信頼感が高まり、チームの協力体制が強化されます。
心理的安全性が確保された職場には、次のような特徴が見られます。
- 自由な意見交換ができる
- 失敗を責めない文化がある
- 多様な価値観が受け入れられる
- チーム内での信頼関係が構築されている
成長実感と適切な評価

成長が見えない状況では、どんなに頑張っても報われない感覚になってしまいます。客観的な指標で成長を可視化することが大切なんです。
エンゲージメント向上には、従業員が自らの成長を実感し、その努力が適切に評価されることが不可欠です。成長が見えない状況では、従業員のモチベーションは低下し、結果として離職につながる可能性が高まります。
エンゲージメントを向上させる具体的な施策は、次のようになります。
- 客観的な成長指標 – 数値化された評価による成長の可視化
- 公正な評価制度 – 努力と結果に基づいた適切な評価
- 成長支援体制 – スキルアップのためのサポート環境
- インセンティブ制度 – 評価に連動した報酬システム
上司と部下の信頼関係

上司との信頼関係って本当に大切ですよね。信頼関係がないと、表面的な会話ばかりになって、本当の課題が見えてこないんです。
マネージャーと部下との信頼関係が築かれていないと、的確な指導や支援が難しくなります。信頼関係がない状況では、コミュニケーションが表面的になり、真の課題や悩みが共有されない可能性があります。
信頼関係構築のポイントと具体的な取り組み例は、次のようになります。
| 信頼関係構築のポイント | 具体的な取り組み |
| 継続的な対話 | 定期的な1on1ミーティングの実施 |
| 適切なフィードバック | 建設的で具体的な指導・助言 |
| 個別対応 | 一人ひとりの特性に合わせたマネジメント |
| 透明性の確保 | 評価基準や方針の明確化 |

1on1の質を高めることが信頼関係構築の鍵です。AIがマネジメントの質を均一化してくれることで、すべての従業員が質の高い対話を受けられるようになります。
エンゲージメント向上ツールの種類と特徴

エンゲージメント向上のツールって色々あるんですね。リアルタイムで従業員の状態を把握できるなんて、すごく便利そうです!
エンゲージメント向上のために活用されるツールは多岐にわたりますが、特に注目されているのがパルスサーベイやフィードバック支援、スキル評価に特化したツールです。これらのツールは、従業員の状態をリアルタイムで可視化し、マネージャーが適切な対応を取るための意思決定をサポートします。
エンゲージメントサーベイの主要なツールは、次のカテゴリに分類されます。
- パルスサーベイツール – 従業員の状態を高頻度で測定
- フィードバック支援ツール – マネジメントの質を向上
- スキル評価・育成サポート – 能力開発と評価の統合
定期的な計測と行動の可視化ができる仕組みを取り入れることで、組織の変化を継続的に促進することができます。
パルスサーベイツール

従来の年次調査だと、問題に気づいた時にはもう手遅れということが多かったんです。パルスサーベイなら早期発見・早期対応が可能になります。
パルスサーベイは、週1回や月1回の高頻度で行う簡易なアンケートを通じて、従業員の状態を把握する仕組みです。従来の年次調査と比較して、よりタイムリーな状況把握が可能となります。
パルスサーベイについてまとめると、次のようになります。
| 従来の年次調査 | パルスサーベイ |
| 年1回の実施 | 週1回〜月1回の高頻度実施 |
| 大規模なアンケート | 3〜7問程度の簡易調査 |
| 結果の反映に時間がかかる | リアルタイムでの対応が可能 |
| 回答率が低い傾向 | 簡単な仕組みで高い回答率 |
その他のパルスサーベイツールは、下をクリックすることで確認できます。
| ツール名 | 特徴 |
| wevox(ウィボックス) | エンゲージメントサーベイの先駆けとして多くの企業に導入されており、「9因子45設問」によって組織の状態を可視化します。毎週または隔週で回答可能なマイクロサーベイ形式を採用し、回答時間は約1分と手軽です。分析ダッシュボードやヒートマップ機能により、マネジメント層がリアルタイムで課題を把握し、改善アクションにつなげやすい点が特徴です。 |
| Kakeai Pulse | 1on1支援ツール「Kakeai」の一機能として提供されており、サーベイ結果を1on1に直接活かせる設計がされています。メンバーの気持ちや懸念を拾いやすいコメント形式が強みで、マネージャー視点でのフィードバック機能も備えています。双方向コミュニケーションを重視する企業に最適です。 |
| Geppo(ゲッポウ) | 月次の簡易サーベイとして「コンディション」「業務量」「人間関係」など3項目を中心に実施されます。3段階の選択式と自由記述の組み合わせで、回答の負担が軽く、結果は即座に人事・マネージャーが確認可能です。早期離職の兆候を素早く把握しやすく、企業規模を問わず活用されています。 |
フィードバック支援ツール

フィードバックって難しいですよね。言い方一つで相手のモチベーションが変わってしまうので、AIがサポートしてくれるのは心強いです。
マネージャーのフィードバックの質は、エンゲージメントに直結します。適切なフィードバックは従業員の成長を促進し、モチベーション向上につながりますが、不適切なフィードバックは逆効果となる可能性もあります。
フィードバック支援ツールの主要な機能としては、次のようなものがあります。
- AIによる提案機能 – 個別の状況に応じたフィードバック方法の提案
- 標準化されたガイドライン – マネージャー間での品質のばらつきを解消
- 過去履歴の参照 – 継続的な成長支援のための情報管理
- 個別対応の実現 – 一人ひとりの特性に合わせたコミュニケーション
その他のフィードバック支援ツールは、下をクリックすることで確認できます。
| ツール名 | 特徴 |
| HiManager(ハイマネージャー) | リアルタイムなフィードバックをSlackやスマートフォンから送信可能で、蓄積されたフィードバックは評価や1on1ミーティングで活用できます。また、フィードバックのリクエスト機能により、必要なタイミングで必要な人からのフィードバックを受け取ることができます。 |
| CBASE 360°(シーベース360) | 上司、同僚、部下など多方面からのフィードバックを収集し、自己評価と比較して自己成長や職場の改善を促す360度評価システムです。直感的に理解できるレポートや、スマートフォン対応、専門スタッフによる導入サポートなど、初めての導入でも安心して活用できます。 |
| HRMOS評価(ハーモス評価) | 目標・評価管理をシステム上で完結し、目標シート作成・進捗管理・評価の調整などを効率化します。HRMOSタレントマネジメントと連携することで、1on1ミーティング支援や360度フィードバックなど、多彩な機能を活用できます。 |
スキル評価・育成サポート

客観的で公正な評価システムがないと、従業員は成長を実感できません。数値化して見える化することで、明確な目標設定もできるようになります。
従業員の能力を正しく評価し、成長につなげることも重要です。客観的で公正な評価システムがないと、従業員は自分の成長を実感できず、モチベーションの低下につながります。
スキル評価の種類・目的・効果にいては、次のようになっています。
| 評価の種類 | 目的 | 効果 |
| 自己評価 | 自分の成長認識 | 自己分析力の向上 |
| 他者評価 | 客観的な視点 | blind spotの発見 |
| 数値化評価 | 定量的な成長把握 | 明確な目標設定 |
| インセンティブ連動 | 動機づけ強化 | 継続的な成長意欲 |
その他のスキル評価・育成サポートツールは、下をクリックすることで確認できます。
| ツール名 | 特徴 |
| Skillnote(スキルノート) | 製造業向けに特化したスキル・力量管理システムで、従業員のスキルや資格、教育履歴を一元管理できます。スキルマップや教育計画の作成、進捗管理が可能で、現場での使いやすさを追求した設計が特徴です。 |
| skillty(スキルティ) | スキルの可視化とセルフチェックに重点を置いたスキル管理システムで、直感的なUIと豊富なテンプレートにより、導入後すぐに活用を開始できます。スキルマップの作成、目標管理、研修計画の立案支援などの機能があります。 |
| fapi(ファピ) | エンジニアのスキル管理・アサイン管理に特化したツールで、従業員のスキルやプロジェクト経験を可視化し、最適な人材配置を支援します。スキル管理、アサイン管理、データ分析などの機能を備えています。 |
エンゲージメント向上ツールの選び方

ツール選びって難しそうですが、自社の課題に合わせて選ぶことが一番大切なんですね。運用のしやすさも重要なポイントですね。
ツールを選ぶ際には、自社の課題に適した機能を持ち、かつ運用がしやすいものを選ぶことが重要です。特に中小企業では、サポート体制やコストパフォーマンスも重視されるポイントです。
エンゲージメント向上ツールを選定する際の主要検討事項には、次のようなものがあります。
- 自社の課題との適合性
- 導入・運用の容易さ
- データの可視化とフィードバック機能
- コストパフォーマンス
- サポート体制の充実度
単なるアンケート機能だけでなく、分析・フィードバック・スキル管理まで一貫して支援できるかが判断基準になります。
導入・運用のしやすさ

どんなに良いツールでも、現場で使われなければ意味がありません。操作が簡単で、従業員に負担をかけないツールを選ぶことが成功の鍵です。
導入が簡単で、現場に負担をかけずに運用できるかどうかは大きなポイントです。複雑なシステムや操作が困難なツールは、現場での定着率が低く、期待した効果を得ることができません。
導入・運用時の課題と解決策については、次の表で確認できます。
| 導入・運用の課題 | 解決策 |
| 複雑な初期設定 | シンプルな設定画面と充実したサポート |
| 従業員の操作負担 | 慣れ親しんだツールとの連携 |
| 回答率の低さ | 簡単なアクセス方法の提供 |
| 継続性の問題 | 定着支援とフォローアップ体制 |
データの可視化とフィードバック性

データを集めるだけじゃダメなんですね。それをどう活用して行動につなげるかが大切なんですね。分析して終わりじゃなくて、改善まで持っていくことが重要ですね。
単にサーベイを実施するだけではなく、回答結果をどう活用するかが重要です。データを収集しても、それを適切に分析し、行動につなげることができなければ、エンゲージメント向上の効果は期待できません。
フィードバックの質を向上させる機能としては、次のようなものがあります。
- リアルタイムでの状況把握 – 問題の早期発見と迅速な対応
- 優先度の明確化 – 対応が必要な従業員の特定
- AIによる行動提案 – 具体的な改善策の提示
- チャットボット機能 – 24時間の相談窓口提供
コストとサポート体制

費用対効果を見極めることが大切です。安すぎて機能が限定的でも困りますし、高すぎて運用が困難でも投資回収できません。適正な価格とサポートが重要ですね。
ツールの導入にはコストも発生しますが、その費用対効果を見極めることが大切です。安価なツールでも機能が限定的であれば効果は期待できませんし、高額なツールでも運用が困難であれば投資回収は困難になります。
まとめ|組織改善は「可視化」と「継続」がカギ

エンゲージメント向上は一朝一夕では実現できません。重要なのは従業員の状態を「可視化」し、そのデータをもとに「継続的」に対話と改善を行うことです。
エンゲージメント向上は、一朝一夕で実現するものではありません。重要なのは、従業員の状態を「可視化」し、そのデータをもとに「継続的」に対話と改善を行うことです。
次の表は、エンゲージメント向上を「成功させた要因」と「具体的な取り組み」をまとめたものになります。
| 成功要因 | 具体的な取り組み |
| 可視化 | 定期的な測定とデータ分析 |
| 継続性 | 長期的な視点での改善活動 |
| 対話重視 | 従業員との継続的なコミュニケーション |
| 行動支援 | 具体的な改善策の実行サポート |












組織人事コンサルタント
早稲田大学政治経済学部卒
国家資格キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
企業の離職防止や定着率改善を専門とし、制度設計にとどまらず、社員一人ひとりの「内発的動機づけ」に着目した支援を信条とする。
データ分析と現場ヒアリングを軸に、経営層・マネージャー双方への支援を提供。現場感と理論を兼ね備えた落ち着きある語り口と、信頼感ある立ち振る舞いが特徴。
私生活では筋トレや読書を通じて自己研鑽を重ねる一方、家族との時間も大切にしている。